週刊ダイヤモンドの記事「72年ぶりのコメ先物市場再開阻止できなかった農協の焦り」に「JAがコメ先物上場をいやがるのは、価格決定権を脅かされるから」とある。それはそうなのだが、実のところ大した反対理由などなく「先物はなんだかわからないから反対」なのだと推察する。反対してそれを通すことができれば、政治力を誇示することもできるわけだし。JAはコメ卸にリベート支給を条件に高値で売却したのがばれて公正取引委員会から怒られたことがあったが、いま堂々とそんなことができるとも思えず、現在JAに絶対的な価格決定権があるか疑問だ。
ところでコメ先物は予想より早く東西取引所共に8月8日上場で「そんなに急いで客は集まるのか?」と思ったのだが、ついでに東穀取のTOCOMへの農産物市場移管が東穀取の意向で破談になったりしている。将来の両取引所の統合(TOCOMが東穀取を吸収)もなくなったわけだ。
TOCOMと統合になると農水省の天下りポストはなくなるだろうから、コメ先物がうまくゆくかわからないが、コメに賭けて東穀取単独で生き残りたいということなのだろう。上場が早まったのも政治側の気が変わらないうちにやってしまえということで、農水省の天下りポスト確保しか考えていないと見るとこれらの動きは理解できる。
「コメ市場に大規模な投機資金が流入」なんてこと言う人がいるけど流動性が期待できない市場に大手機関投資家が参加などしない。コメ先物がらみの動きは「天下りポスト維持したい農水省」と「政治的影響力を保持したいJA」の思惑によるもので、日本の商品先物市場の将来とか、稲作の将来などは誰も考えていないと思われるのでそう騒ぐことはないだろう。なんともお粗末である。
東穀取のコメ市場は期待できないが、関西の方はかつての「関西輸入大豆」のような、一部の相場マニアに愛される市場として細々と存続して欲しいと思う。どうせならば手振り売買を復活させて、USTREAMで立会いを実況するなどすれば面白い。日本の商品先物市場は「経済的余裕のある大人の遊び」というコンセプトで生き残るのがよいだろう。
