「週刊ライス・ビジネス」編集長さんのblogによると、政府はコメ市中相場を高値誘導していると推測されるらしい。高騰すれば所得保障の変動部分を支払わなくてよいからだ。
このエントリーは5月末に上がったものだが、関西商品取引所コメ指数KRI(日刊米穀市況速報調査価格より算出)は現在更に上昇している。
さてコメ先物試験上場が決定したが、正直こんなにあっさり決まるとは思っていなかった。そもそも流動性が確保されるとは考えられないので興味もなく、スペックも知らなかった。遅ればせながら「コメ試験上場の提案(改訂版、平成23年6月)~ 先物市場の機能と影響の検証」という文章を読んでみたが、当業者がそこそこ参加を表明しているのが意外であった(同文書の11ページ参照)。東穀取が商品先物取引業者以外が37社、関西商品取が商品先物取引業者とその他(個人等)以外の当業者が46社である。関西の「その他(個人等)」は以前からの個人会員の人だろうか?特に関西は受け渡し単位が50俵(=3トン)なので中小業者が扱いやすいのだろう。一般の投機家がどの程度参加するかわからないが、そんなに先行き悲観するでもないように思えてきた。
取引開始は連休明けの9月20日で全限月新穀にて開始なんだろうけど、政府は高値誘導するインセンティブがあるし、震災や原発事故の影響で高いということにもしやすいし、市場も盛り上がるのでコメは値上がりするんじゃないだろうか。
日本の商品先物市場の特徴だが「出来高が期先に集中する」という現象がある。先行き値上がり期待で期先限月に人気が付くと、先物カーブが立ってくるわけだ。当業者で売りヘッジしたり、現物を受ける前提で期近買建、期先売建のサヤ取りを行う人にとっては、値上がり人気はとても有利だ。値上がりすれば政府も生産者も文句はないだろう。消費者については「今年は震災の影響」ということで納得してもらえばいい。行き過ぎたら政府が備蓄米放出で冷やすこともできるわけだし。
ただし現在は先物取引については不招請勧誘禁止(一部例外あるが実質全面禁止)なので、ガソリン上場の時のような盛り上がりは到底期待できない。
ところで「週刊ライス・ビジネス」編集長さんが「落ちた農協の政治力」と書いているのだが全く同感で、政権交代の影響が大きいのだろうが、農水省も「小規模農家の整理」を決めたのかも知れない。近年農地の流動化が加速しているようだが、無秩序な農地集約よりも計画立てて行いたいはずで、農水省にとってもすでに農協はお荷物になっている可能性がある。そう考えるとコメ先物試験上場が簡単に決まったのもわかるような気がする。
