科学技術政策研究所の科学技術動向2月号に「米国における食中毒発生全体の推計」という記事があり、そこに「米国疾病管理予防センターの推計によると、米国における食中毒の発生件数は年間4,778 万件、入院患者数12.8 万人、死亡数3 千人超」とある。
ちなみに日本の厚生労働省で発表している「食中毒統計調査」によると平成22年の食中毒による死亡者はゼロだ。
厚労省「食中毒統計調査」の方式は世界的に標準的なものらしいが、調査精度は高いものの確定診断が可能な特定の原因物質による食中毒に限っており、過小診断あるいは診断結果の届出不備などもあって全ての食中毒の発生は捉えきれていないという。
米国疾病管理予防センターの推計は、この課題を解決しようと開発されたものらしい。
これとは別に、JC総研のレポートでは、年間死亡者5,000人という数字が紹介(6ページ目)されている。
何が正しいのかよくわからないが、アメリカ合衆国の人口が3億914万人(2010年4月 米国国勢局推定)いるにしても、ちと多すぎるんじゃないだろうか。
日本でも報告された死亡者はゼロなのかも知れないが、実は食中毒が原因という例もあるだろう。しかしそういった例が1,000人とか存在するだろうか?
アメリカでは今年のはじめに「食品安全近代化法案(H.R.2751 FDA Food safety Modernization Act)」という法案が成立している。アメリカでピーナッツバターにサルモネラ菌が混入して大騒ぎになったことがあり、製品が日本にも輸入されていたとかで厚労省も動いていたのだが、それが契機になったようだ。どうも食品衛生に関してかなりいい加減な国のように思える。そう考えると食中毒死亡者が3,000人とか5,000人とかいても不思議ではないように感じる。上に紹介したJC総研のレポートでは「食品衛生の問題があるので、誰が生産したかはっきりしているファーマーズマーケットが大流行」とあるので、やはり問題になっているのであろう。こういった点では日本は良い国である。
