2011年2月26日土曜日

WTI原油のはなし

みずほ総研の「2011・2012年短期原油価格見通し」というレポートに、「WTI(先物期近)が2営業日で12ドル上昇」とある。

NYMEX Light Sweet Clude Oil(Ticker:CL)3月限は2月22日納会。2月18日金曜日の2番限である4月限の帳入値段は1バレル89.71ドルだった。3月限は22日に落ちたので23日の当限は4月限で帳入値段は98.10ドル。21日は休場だったので前週末から2営業日で+8.31ドル、+9.35%の上昇となる。このレポートでは「2営業日で12ドル」となっているが、これは3月限と4月限という別の限月を比較していると見られる。当限繋ぎチャートだけを見ている人がやりがちなミス。こういう間違いをすることが多いので、金融畑の人は原油価格はブレント価格だけ見ればいいと思うのだが。

何でいまNYMEXの当限が弱いかは以前書いた。国内の原油需給が緩んでいれば現物価格は上がりにくい。先物価格は納会に向けて現物価格に鞘寄せするので、納会に近づくほど価格は上がりにくくなる。なお受け渡し可能な原油の種類はWTI(West Texas Intermediate)等の北米産原油だけでなく、以下に示す外国産原油も可能(油種ごと格差がある)。
ちなみに昔は受け渡し地点のCushingへのパイプラインが貧弱で、渡し物が届かず玉締めみたいなことが起きていたが、いまはパイプラインも強化されておりそういうことはない。なおCFTCは納会時に現物価格と先物価格に大きな価格差が出ないか厳しく監視している。このあたりはいい加減な日本の商品取引所(および監督官庁)とは違う。

*NYMEXルールブック チャプター200より

U.K.: Brent Blend(30セント/bbl.ディスカウント)
Nigeria: Bonny Light(15セント/bbl.プレミアム)
Nigeria: Qua Iboe(15セント/bbl.プレミアム)
Norway: Oseberg Blend(55セント/bbl.ディスカウント)
Colombia: Cusiana(15セント/bbl.プレミアム)

近年「原油が金融商品化している」と言われるが、金融先物とは特性が異なるコモディティであることが今ひとつ理解されていないような気がする。