8月31日のロイター配信より:
池田元久財務副大臣は31日、都内で開催された「デフレ脱却国民会議」のシンポジウムに出席し、最近の円高は日本経済に大変なマイナスであり、対処が必要と強調した。為替が急激に変動した場合には「断固たる措置をとらなければいけない」とし、「断固たる措置」について「与えられた権能であり、選択肢として排除しない」と介入の可能性を示唆。為替介入を実施した場合には「日銀は非不胎化をしっかりやってもらわなければならない」と述べ、介入した資金を日銀は吸収すべきではないとの考えを示した。
「なんちゃってリフレ派」の人がよく間違えているが、日本では中央銀行の「非不胎化」というのは基本的にない。野口ゆっきー先生も間違えていたので意外に知られていないのかな。
介入の手順はこんな感じ。
・財務省の依頼を受けて日銀が円売り介入実施。
・2日後の決済日に外為資金特別会計が国庫短期証券を発行し、それを日銀が引受け。
・日銀から得た円資金を財務省が介入相手に支払い。ここで当座預金残高増加。
・その後財務省は介入と同額の国庫短期証券を市中公募し、その資金で最初に日銀が引き受けた国庫短期証券を償還。ここで当座預金残高減少。
ということで、日銀が資金吸収(不胎化)するのではなく、財務省が国庫短期証券を発行して不胎化してしまうわけだ。
ただし、財務省が介入から国庫短期証券を市中公募するまでにタイムラグがある。03年からの大規模介入時にはFB(当時)発行までに二十日ほどかかり、その間日銀も放置していたことがあったと思う。短期間の「非不胎化」という状態はありうる。しかし当時も長期に渡る「非不胎化」というのはやっていない。
池田副大臣の「非不胎化をしっかり」というのは、「財務省は介入後国庫短期証券の公募をやんないので、日銀も吸収しないでね」という意味なのかもしれない。まあ財務副大臣が言うならわからないでもない。
でこれは一種の量的緩和なわけだが、恐らく実物経済への直接的な効果はないだろうけど、金融市場(特に為替、株など)には何らかの影響がありそうに思う。要は「ベースマネー増加→マネーストック増加」と単純に考える市場参加者が沢山いれば円安になるかも知れないわけだが、為替市場ではその可能性が高いように思う(確実ではないが)。
今の円高ドル安は、ほとんど米国債金利で決まってしまうようなところがあるので、日銀の政策で有効なものはあまりなさそうだ。ある程度効果が不確実でも、金融市場の期待というか一種の誤解に働きかけ、金融市場経由で実物経済を刺激するしか方法がないように思う。須田委員は反対すると思うし、総裁も気が乗らないだろうけど。
